今井博子税理士事務所のここだけの話

地方拠点強化税制と地方の空き家を活用したオフィス活用

2015.06.25 Thu

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地方拠点強化税制とは、地方にオフィスの拠点を移すことで、税金が優遇される制度の事をいいます。
平成30年3月31日までが該当期間となっており、青色申告の法人が対象です。

地方への移転を促す目的

簡単に言えば、地方活性化ということにつきます。拠点が地方へ移ることにより、地方の雇用を創出し、地域活性化にもつながるというメリットがあり、都市部への一極集中を分散させる狙いがあるようです。地方の若者離れ、過疎化を防ぐことで、都道府県も活性化されるというストーリーが描かれています。

企業のメリットと意義

企業側のメリットは投資減税の創設と雇用促進税制の拡充の2つがあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。前提として、特定地域(東京23区)から支援対象区域(3大都市圏以外)への移転は「移転型」と呼ばれ、それ以外は「拡充型」と定義されています。

投資減税の創設

適用の条件は、本税制の承認日から2年以内に、事業の拠点となる一定規模の建物や施設を移転した場合に適用されます。

移転型と拡充型の優遇措置は以下となります。

移転型

「25%の特別償却」または「7%の税額控除(平成29年4月1日からは4%)」をうけることができます。

拡充型

「15%の特別償却」または「4%の税額控除(平成29年4月1日からは2%)」をうけることができます。

東京23区からの移転をした場合は移転型に属しますので、拡充型よりも大きな恩恵があるといえます。

雇用促進税制

こちらも2パターンの税制が設けられています。

1つめの特例

平成29年度末までに本施策の承認をうけ、現行の雇用促進税制の条件を満たす場合に適用されます。

現行の雇用促進税制の条件とは、法人全体の雇用者数が前期比5名(中小法人は2名)以上増していることとなります。

施策の承認から3年間有効となり、法人全体の前期比雇用を上限とする当該地方拠点の前期比雇用増×50万円が税額控除されます。

ただし、法人全体の雇用者数が前期比10%以上増しでない場合は、50万円が20万円となります。

2つめの特例

「移転型」の承認をうけ、法人全体・当該地方拠点の雇用者数が前期比で減少しないという条件の場合に適用されます。

1つめの特例とは別途で、当該地方拠点について本策の承認直前期の雇用者数に対する雇用増し数×30万円が別途税額控除されます。

双方あわせた税額控除の上限は、当期税額の30%までとなります。

どうやって活用していくかが課題?

地方の空き家をリノベーションして、シェアオフィスにスタートアップを呼びこむといったフリーランスや個人事業者を取り込む流れはあるものの、本社機能の移転をするというのは、大きな意思決定であり、顧客とのコミュニケーションや企業ブランドの維持など、税金以外の側面からも検討が必要であることは課題のひとつかもしれません。

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